豊洲の水辺で遊ぶ   ~武器はSUP~   《 Season 2 》

水辺に囲まれながらも『陸』と『水辺』が断絶された地元豊洲。豊洲を拠点に、もっと水辺と触れ合える機会や場所を作る為のゲリラ活動ブログ。      ~ほぼ月2回、月曜夜更新~

いざ大阪へ!

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こんにちは、Daiです。

 

 

 

 

仲間とSUP(スタンドアップパドルボード、通称サップ)コミュニティ団体「TOKYO SIDE-B」を立ち上げ、「豊洲地区運河ルネサンス協議会」に参加し、地元の「浮き桟橋」を利用させてもらうことを目指す「運ルネ作戦!」。

 

 

 

 

それに向けた私のミッションの1つに「SUPインストラクターの取得」というのがありました。

 

 

 

 

ルネサンス協議会に参加申請をするにあたり、団体内にSUPインストラクターがいることは安心材料になりますし、今後「浮き桟橋」の利用がかなった際には、地域のイベント等で水辺体験を提供する際に多少は説得力を持つであろうかなと。

 

 

 

 

SUPのインストラクター認定を出している団体というのはいくつかあるんですが、折角なので我々のスタンスにあった付与団体がいいなぁと思い、大阪で「日本シティサップ協会」を主宰されている奥谷崇さんに連絡をさせて頂くと、下記のお返事を頂きました。

 

 

 

 

「我々は、船舶の往来が激しい都市河川でいかに安全に楽しめるか、ということを重視しています。

 

また、当方に加盟している団体の多くは、地域のために活動されている観光協会など、ほとんどが公共施設を利活用されているので、講習会ではその辺のお話しもできると思います!」

 

 

 

 

まさに我々の状況にどビンゴ!

 

 

 

 

ちなみに奥谷さんは、2008年頃に日本で最初にインフレータブル(空気で膨らます)のSUPを手に入れた!とおぼしき方なんです。

 

  

 

 

琵琶湖でのSUPから始まり、好奇心の赴くまま大阪の都市河川での「ゲリラSUP」へ。並行して大阪の水辺行政と掛け合いながら、その最前線で水辺の活動をリードされてこられてきました。

 

 

 

 

昨年にはアジア初のSUPの世界大会「APPワールドツアー大阪大会」の開催にも尽力された都市SUP業界のパイオニアであり、レジェンドなんです。

 

 

 

 

もはや私自身のインストラクター資格云々というより、「御大」奥谷さんにこれまでの活動の経緯について、じっくり話をお伺いしたい!という想いを大きくしながら大阪へと向かったのでした。

 

 

 

 

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丁度昨年の2月、水辺活動の師匠的存在である横浜水辺荘の山崎さんにお声掛けを頂いて「水の回廊SUPツアー*1」に参加する為にやってきた八軒屋浜。

 

 

 

 

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奥谷さんとも1年ぶりの再会となりました!

 

 

 

 

さっそくインストラクター講習を受講するも、話は奥谷さんのこれまでの活動の経緯やそのお考え、目指されている協会の方針といったディープな方向へと展開していき、もうめちゃめちゃ参考になる話ばかり。

 

 

 

 

 

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「御大」奥谷さん




  

また、都市河川でのSUPにおいて行政が「リスク」と感じるであろう部分をすべて消し込むべく、完全オリジナルのSUPボードを作りに中国の工場まで乗り込んじゃう行動力はもう驚嘆に値します。

 

 

 

 

その日本シティサップ協会オリジナルの「CitySUP®BOARD」とモーターも装着できる「CitySUP®BOAT」についての操作方法の実施講習も。

 

 

 

 

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右が大阪名物「こたつSUP」!



 

 

この珍しい「円形のSUP」というのも意味があるんです。都市部の河川や運河特有の垂直に切り立つ護岸に、船舶が通った後の「引き波」が当たると、四方八方から不規則に乱れた波が立つのですが、その影響を最大限和らげるための円形なんですね。

 

 

 

 

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そのユニークさに文春砲も!週刊文春2月6日号より


 

 

 

都市部の水面で如何に安全に楽しむか、そのフィールドに合ったギアであるべき、という視点を踏まえ細部にわたり「リスクをなくす」ことを考え尽くして作られたのが本当にすごい。

 

 

 

 

奥谷さんは、若い頃ダイビングのインストラクターをされていて、ショップのコアなお客さんと一緒にどっぷりマニアックな世界にのめり込んでいってしまったそうなんです。

 

 

 

 

その当時、ダイビングに興味をもってくれた初心者の方々を置いてきぼりにしてしまった結果、ダイビング自体もブーム的なもので終わってしまった、という自省の思いが今のスタンスに強く影響されているように感じます。

 

 

 

 

それは、SUPというアクティビティが一過性のブームにならないよう、より多くの人々に「手軽」に、そして「安全」に、海や自然の魅力や街やその歴史を知ってもらう「入口の機会」にしたい。。。そんな「裾野」を広げることに強い使命感をお持ちでいらっしゃたのでした。

 

 

 

 

今回、SUPインストラクターとしての講習にとどまらず、今後東京の水辺で起こるであろう課題や行政との関係づくり、組織運営の問題なども含めざっくばらんに貴重なお話をさせて頂くことができました。

 

 

 

 

また、まだ団体のできていない我々に対しても日本シティサップ協会として、できる限りご協力を頂けるというありがたいお言葉も頂戴し、夕暮れとともに講習を完了したのでした。

 

 

 

 

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大阪からの帰途の新幹線の中で、私自身「何を目指すのか?」ということを改めて考えていました。

 

 

 

 

私が「水辺の開放」なんてわけのわからないことを声高に騒ぎはじめたのは、目の前にある水辺に触れ、自然や生物の存在を体感したとき、それが自分のアタマで何かを考えたり、何かを感じるトリガーになったからなんだと思います。

 

 

 

 

多くの人が 「豊洲の汚い運河でSUPなんてやりたくない」と考えていることでしょう。いや、「地元の水辺で遊ぶ」なんて発想すらないのが普通だと思います(苦笑)

 

 

 

 

私自身、「目の前の運河で遊びたい!」という単純な動機でSUPに乗って水面に出てみただけなのですが、それが「なぜ運河の水は汚いのか?」「どうやったらキレイになるのか?」という疑問に発展し、赤潮の発生理由や合流式下水処理の問題、プラスティックごみが漂流していることへの課題を実感するわけです。

 

 

 

 

また「全く興味も関心も無かった使われていない桟橋」の見え方が、「なぜ使えないのか?」「どうやったら使えるようになるのか?」という疑問に発展し、水辺を「キケン」とみなさずをえない行政と住民の思考停止に課題を実感するわけです。

 

 

 

 

今は日陰の存在である水辺が、冬の時期は透明度が高くキレイなこと、潮汐の変動や潮流を通じて「引力」の存在を体感したこと、そして過去の歴史のおいて水辺は「水運」だけでなく「賑わい」を生み出す重要な存在であったこと、を知っていきました。

 

 

 

 

では、現代の水辺の役割とは?

 

 

 

 

それは「レジャー」なのかもしれないし、「アクティビティのフィールド」なのかもしれないし、「癒し」なのかもしません。きっと「日々の生活に彩りを与えてくれるもの」であると漠然と思っています。

 

 

 

 

いや、私自身、それを知りたくてこの活動をしているのかもしれませんね。

 

 

 

 

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講習の合間、3歳ぐらいのお子さんを連れた親子が、通りすがりにふらっと立ち寄り「こたつSUP」の申し込みをしていました。

 

 

 

 

特に水面に出ることを全く意識していない着のみ着のまま、ライフジャケットだけ着用し、夕日に沈む大川を「こたつSUP」でクルーズ。

 

 

 

 

そんな風景を眺めているだけで、なんともピースフルで微笑ましい気持ちに。

 

 

 

 

東京でも日常的に「水辺に触れられる」環境を作ることができたらステキだなぁ。

 

 

 

 

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